レッスン

フェルデンライス®︎メソッドのレッスンには2つの様式があります。

グループレッスン Awareness Through Movement (ATM)と、1 to1 のパーソナライズドレッスン Functional Integration (FI)です。

グループレッスン

Awareness Through Movement : アウェアネス・スルー・ムーブメント

Awareness Through Movement (ATM)

ATMレッスンの大部分は床にねそべる姿勢で行う、45分~60分ほどの動きのレッスンです。

座位、立位のレッスンも存在します。

 

穏やかで易しい動きで構成されるATMレッスンは、生物学的なヒトの動きや、行為、発達の動きのパターンをつかって脳の学習のしくみにアプローチします。

口頭で動きを案内するプラクティショナーの言葉を聞いて、認識した動きを遂行しつつ自分の内面からどう感じるか注目する、気づきと学びのプロセスです。

 

ここでの学びとは、未だない知識をつけることが目的ではなく、既にできること、知っていることから知恵をつける学習のことです。動きのレッスンであっても動きそのものの成果を目的とせず、動きながら感じ、感じながら動く過程を大切にします。そのため正解や間違いという評価がなく、動きの手本や方法を示すこともありません。

 

レッスンの動きはヒトの機能の一要素をとりあげて系統的に構成されます。普段は意識しない新たな側面から調査をするための設定と、情報処理を助ける緻密な動きのバリエーションの構成が用意されます。プラクティショナーは場に応じて気づきを促す観点を提案し、個々の学びの環境を整えます。

 

穏やかにゆっくりと動いて身体を感じ、何が楽で何が難しいか、身体のどこに余計な緊張や抵抗が生じるか、自分にとって動きの心地よさの感覚とは何かを識別していきます。動きのゆっくりさは、注意を向けていなかったことに注目して何かと何かのつながりに気づくうえで、時間をもたらしてくれます。

そしてこのアウェアネス(気づき)の広がりは学習のカギとなります。

 

より少なくすること、よりシンプルにすることを推奨し、動くための努力を最小限にし、動きを小さく絞り込んで、最も楽に行うことを提案します。これは動きに伴う努力が最小になるほど繊細な感覚が冴え、より細やかな「違い」を感受するためです。この「繊細な違い」の情報は脳の学びを発揮する条件となるのです。小さな感覚の差異化によって脳、神経系は再編成し、より効率的に身体の動きを再組織化します。

 

これは私たち誰もがかつて経験した、重力と環境と相互作用しつつ自分から動けるようになっていった幼き頃の学びかたです。赤ちゃんに戻れぬ現在でも、ある条件がそろうと脳が変わり、動きが変わり、知覚が変わり、アウェアネスが変わります。自分の認識や思考も理解も判断も行動も実は選択の豊かさがあるということを学ぶコツがここにあります。

レッスンを通して身体の動きやすさ、快適さ、習慣的な姿勢のパターンの改善など、生活において良好な変化が見込まれます。

 

パーソナライズドレッスン

Functional Integration : ファンクショナル・インテグレーション
Functional Integration (FI エフアイ)

FIレッスンは、個人のニーズと希望に配慮した、45分~60分ほどのハンズオンのレッスンです。

 

着衣のままFI専用のベッドにストレスの無い快適な姿勢で横たわり、または座り、身体に負担を与えることのない穏やかなレッスンを行います。

 

プラクティショナーの柔らかく「聴く」タッチは生徒の身体に触れて動きを提案するとき、極めて繊細な手から生徒の固有な動きのパターンを感じとることができます。

動きを「感じる」手が反映する「動き」のイメージとその知覚は、情報となって脳の学びを活性します。

プラクティショナーは洗練した情報を通して学びのプロセスを個人のニーズに向けていきます。

 

身体の骨格のある部分から動きが身体の他のどこの部分に楽につながるか、容易な関係のディテールを見つけることで、楽に調和して動きに関わる範囲は穏やかに広がるようになります。全体像を視野に入れて動きを感じるプラクティショナーの友好的な手があることで、アウェアネス(気づき)は広がっていきます。

プラクティショナーは優れた動きを教える教師ではなく、動きの構成要素に新しい動きの選択肢を発見することに立ち合い、変化による全体の効果の感覚を共感する存在です。レッスンは2つの神経システムの対話となり、双方向の学習を促進するものです。

 

オーケストラの奏者全員が互いに聴き合いながらハーモニーを奏でるように、身体も各部分を総動員でひとつとなって協調した動きを組織すことができるという見通しを持てるようになります。身体の動きやすさ、習慣的な姿勢や運動のパターンの改善などに役立ちます。

 

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